2020年末にK-1ビザで渡米し、早くも一年以上が経ちました。1年過ごしてきたからこそ、「あの時こうしてればよかった」「渡米してすぐにこれをしたらよかった」と思うことがいくつかあります。これから渡米する人、渡米してすぐの人には私と同じ間違いを犯してほしくないので、今日は私が「こうしたらよかった」と思うことを紹介していきたいと思います。
ソーシャルセキュリティ番号は早めに取る
Social Security Number(以下、SSN)は、アメリカで納税するときやお金を稼いだりするときに大切になってくる番号です。私はすごく時間がかかる方法で申請してしまったのですが、今思い返せば何がなんでも先に取っておけばよかったなと思っています。なぜSSNを先に取っておけばよかったと思ったか、SSNがあるとどんなことができるかについて紹介します。
私がSSNを取得するまで
私は婚約者ビザで渡米してきたので、このSSNを取得するためには以下の二つの方法がありました。
1、渡米して2週間後にSocial Security Office(以下、SSA)で申請
元々は早めにSSNが欲しかったのもあり渡米して入籍してからすぐにSSAに連絡をすると、コロナの関係もあり、新しく取得するまでに数ヶ月かかる可能性もある点、今の段階でオフィスでの予約ができない点などを案内されました。審査が長引き、I-94の期限内に取れない場合、結局AOSと一緒に申請することになると思ったので、私はAOSでの申請で一緒に新規発行をすることにしました。
ちなみにこれはアメリカあるあるなのですが、窓口の人はどの移民ステータスの人がどんな手続きかなどについていちいち詳しく知っているわけではありません。なので間違った案内をされることもあるので、調べた情報と違う時には違う人に聞くか、対応してくれている人の上司に代わってもらうよう伝えましょう。
2、グリーンカードへの切り替え時にEADを一緒に申請、SSNの新規発行依頼もする
AOSというのは婚約者ビザで入国した人がグリーンカード(以下、GC)へ切り替えする申請のことです。ここ数年、GCが手元に届くまで大体10ヶ月ほどかかると言われていますが、GCがくる前に働きたいという人はEADという労働許可証を一緒に申請することができます。この申請の中で「すでにSSNを持っているか、持っていないとしたら新規発行希望か」が聞かれるのです。
私は急いでいなかったのもあり、EADで申請する際に一緒に申請しました。(その後GCが一旦Deniedになるなどゴタゴタがあったので余計にSSNを手に入れるまでに時間がかかりました)
SSNがあるとできること
ここまで「先にやっておけばよかった」「後悔してる」と書いていますが、SSNがあるとなんのメリットがあるのでしょう?SSNがあることでできることについて簡単に紹介します。
投資がはじめれられる
投資を始めるためにはまず証券口座を作る必要があります。その証券口座を作る際、アメリカに在住していると納税者番号、もしくはSSNを記入する必要があります。
もちろん日本ですでにある証券口座で投資をし続けたり株の売買をする分には問題ありませんが、アメリカで証券口座を作っていち早く資産形成をスタートしたいとなると口座を作る必要があり、その際にSSNがどうしても必要になります。
クレジットカードを作ることができる
クレジットカードを作るにもSSNが必要になります。「そんなに大きな買い物とか日頃買い物もしないし、日用品はパートナーが払うからいらないかな」なんて思う方もいるかもしれませんが、クレジットカードを作ることは単に買い物をするためだけのものではありません。
次の章でも詳しくお話ししますが、クレジットカードをつくる目的はクレジットスコアを積むことです。アメリカでのクレジットスコアはとっても大切で、車や家を買うときのローンの金利などにも関わってきます。
よくある勘違い
ここでよくある勘違いも一つ触れておきたいのですが、SSNがなくても銀行口座は開けます。もちろん銀行によっても変わってくると思いますが、ほとんどの銀行が窓口で銀行口座を開こうとした場合、身分証明書等があれば口座を開くことは可能です。
たまに「SSNがないから口座も開けない」という声も聞きますが、それは間違いです。実際、私は学生ビザで1年間在米していた際SSNはありませんでしたがWells Fargoの口座を開けましたし、今使っている口座に関しては観光ビザで今のパートナーを訪れにきているときに作ったものです。
クレジットカードがなくてもデビットカードがあるだけで日常の中では役立ちますし、クレジットカードの中には今までのデビットカードの手続き履歴をもとに作れるものもあったりするので、日常生活のために口座が必要な方はぜひ銀行に問い合わせてみてくださいね。
クレジットスコアを貯め始める
SSNがあるとできることの中でクレジットカードの話をしました。繰り返しになりますがアメリカでのクレジットスコアはとっても大切で、車や家を買うときのローンの金利などにも関わってきます。スコアが高ければ高いほど金利が低くローンを組むこともできるので、いざというときのためにスコアを積み上げておくことがとても大切です。
0からスコアを積み上げ始めようとすると、初めてクレジットスコア自体が反映、付与されるのは使い始めてから6ヶ月後ほどと言われています。大きな買い物をしなくても、日々の小さなコーヒー代やガソリン代などでちょこちょこ使い、しっかり支払いをすることで、アメリカでの労働権が与えられる頃にはスコアがある状態になることができるので、これは個人的に渡米してすぐに知っていたかったなと思いました。
クレジットスコアのためかた
クレジットカードは信用度合いに比例してスコアが上がっていきます。なので、スコアを上げるためには
- 日々の買い物や毎月の支払いにクレジットカードを使う
- 絶対に滞納せず、期日に支払いをする
この二つのポイントを重ねることでスコアを貯めることができます。
クレジットスコアが溜まっているかどうかは以下のサイトで確認することができます。
(画像のタップでサイトに飛べます)
Credit Karma
Experian
Credit sesame
おすすめのカード
特典のいいクレジットカードを作るためにはそもそもいいクレジットスコアを持っている、いいクレジットヒストリーを保っている必要があります。「え、じゃあクレジットスコアがない私はクレジットカード作れないんじゃ・・・?」と心配する皆さん、ご心配なく。
今までにクレジットスコアがない状態でこれから積み上げていきたい人はSecured credit cardというものを作ることができます。
私も実際にクレジットスコアを貯めようと思いカードを色々調べていたのですが、正直クレジットスコアが今ない状態、これからつみ立てるという状態で作ることができるカードの特典はどこも似たり寄ったりです。
参考までに私が検討していたカードについていくつか紹介します。
1st Bank secure credit card
大抵の銀行でSecured credit cardを作ることができます。私が普段使っているコロラドのローカルバンク銀行の一つである1st Bankという銀行でも発行できました。年会費は無料で使うごとに1%のキャッシュバックが得られます。一番初めは使える上限が5万円だけですが、数ヶ月使ったら上限を上げてもらう予定です。おそらくどこの地方銀行でも大手銀行でも同じような条件であるのではないかと思うので、使っている銀行に聞いてみましょう
Discover Secured Credit Card
こちらもクレジットスコアがない状態で作ることができるSecured credit cardです。こちらも年会費はなく、ガソリンやレストランでの支払いで2%のキャッシュバック、それ以外の買い物で1%のキャッシュバックを得ることができます。
Petal 2 Visa card
こちらは過去の銀行口座の履歴(デビットカードの使用履歴)をもとに作ることができるセSecured credit cardです。なので過去のクレジットスコアは関係ありません。こちらも年会費がなく、それに追加して海外で使った場合のInternational feeも取られません。特典としては全ての買い物に対して1%のキャッシュバックがつきます。
クレジットスコアを早く貯めるコツ
クレジットスコアを貯めるコツは、月々の支払いをすること、そして期日に遅れずにしっかり支払いを重ねることと書きました。実はもう一つスコアを早く貯めるためのコツがあります。それはSecured Credit cardを2枚作り、同時進行で使っていくということです。
クレジットカードを毎月使い、そして期日通りに支払いがされると、その月毎に信用が一つずつ積み重なっていきます。もしその積み重ねる信用が2つのカードで行われると、毎月二つの信用が積み重なるイメージです。
もちろんここで支払いを怠ってしまったり遅れてしまっては意味がないので、あまり分散させて管理できる自信がない人にはお勧めしませんが、2枚作って貯めていくというのは一つの手段としてお勧めです。
運転免許を取っておく
最後に、今だから言える渡米直後にした方がよかったことは運転免許の取得です。アメリカでの運転免許はお酒などを買うときに提示する身分証明書にもなりますし、飛行機での国内移動も免許証でできます。もちろんパスポートを持ち歩くこともできますが、サイズ的にも大きいですし、パスポートを持ち歩くのが心配という人もいると思うので早めにアメリカで免許を取っておくのがお勧めです。
アメリカでの免許の取り方
アメリカの免許はすごく簡単に、そしてとても安く取ることができます。取ろうと思えば200ドル以下で1週間以内に取ることができます。
免許を取るときの流れなどはこちらの記事にまとめているので、免許を取ろうと検討している方はぜひ覗いてみてください。
国際免許で運転できる期間
海外に引っ越す前に、国際免許を取得してくる方も多いですね。私も渡米前に国際免許を取得してきました。こちらは州によっても違うのですが、基本的に長期滞在する場合、国際免許を使って運転していい期間は3ヶ月と言われています。国際免許は1年間有効だから1年間乗っていいというわけではないので注意しましょう。
ただ、もちろん3ヶ月以上経って運転したからと言って重い刑罰が下されるというわけではありませんが、長期間になると車の保険だったり、厳密な規則的にはしっかり現地の免許を持っている方がいいと思うので、長期で滞在する人は早めに免許証を取得するのがお勧めです。
パスポートを更新する前に
K-1ビザで渡米予定があり、渡米してからパスポートの更新をしようとしている方には、パスポート更新前に運転免許を取ることを強く強くお勧めします。
私は2020年11月末にアメリカにK-1ビザで渡航し、2021年6月にアメリカでパスポートの更新、そして11月にこちらでの運転免許を取ろうと思ったのですが、問題にぶつかりました。まだEADもGCも持っていない、移民ステータス変更中の身で免許を取ろうとする際、I-94という入国した時に付与される番号を一緒に提出する必要があるのですが、これは入国時に使ったパスポートの情報と紐づけられています。
私は新しいパスポートと古いパスポートどちらも持っていったのですが、I-94にあるパスポート番号と期限が切れていない今のパスポートの情報が一致していないことが理由でその先の手続きに進めませんでした。
新しいパスポートの情報で新しいI-94を取得してくださいと言われたのですが、一度国外に出ることなしに新しいI-94を得ることもできません。特にK-1ビザで渡米しGCが出るまでの期間は、APという海外渡航許可証なしに海外に出ることはできません。
結局私はEADが送られてくるのを待って免許を取ることにしましたが、本当にこれは渡米してからすぐに取っておけばよかったと思いました。
(もちろんビザの種類やステータスによっては免許を取るのにI-94が一切関係ないので、ぜひご自身の状況に合わせてどんな書類が必要なのかは調べてみてくださいね)
以上が、アメリカに引っ越してきてから1年たった私が「もっと早めにしておけばよかった」「もし時を巻き戻せるならこれをしたい」と思うことでした。
ぜひ皆なんのアメリカ生活の参考にしていただければと思います。