早速ですが、グリーンカードが却下になりました。
これは釣りタイトルでもなんでもなくて、先日本当に「あなたのグリーンカードの申請は却下されました」のお便りが来ました。
今日はこれまでの流れと、なんで今回グリーンカードが却下になったのかについてお話ししたいと思います。正直ちょっと稀なケースでもあると思うのですが、パートナーが自営業の方は当てはまる人がいるかもしれないのでぜひ読んでいただけたらと思います。
私が却下された理由も下記に明記しますが、他の方も皆同じ理由で却下されるとは限らず、状況も人によってさまざま違います。
もし同じように却下の通知が来た場合、一度弁護士さんなどその道に精通している方からのアドバイスを受けることを強く、強くお勧めします。
これまでのタイムライン
私は2020年11月にK-1ビザ、いわゆる婚約者ビザを取得して同じ11月にアメリカに引っ越してきました。
入国してからのタイムラインはこちらの通りです。
12月頭 入籍
1月中旬 AOS郵送
2月下旬 Rejectにより一旦パケットが送り戻される
3月中旬 AOS再郵送
4月中旬 レシート受領
7月中旬 Biometricsのスケジュール連絡
8月上旬 RFEのレター受領
8月中旬 Biometrics
9月中旬 グリーンカード却下(denied)の連絡
こうみると、rejectもRFEもDeniedも全部食らっていて笑いますが。笑
ちなみにReject, RFE, Denied、一体それぞれがどんなものなのか、これらを受け取った後どんなことをしなければいけないのかについてはこちらの記事でまとめています。
レターに記載されていたこと
というわけで、9月にDeniedの連絡が来たわけですが、実際に受け取った手紙に書かれていたことを抜粋して紹介します。
Notice of Decision
今
回受け取ったレターのタイトルです「決定事項通知」という感じでしょうか。
1枚目にはケースが却下されたことが記載されています。
Statement of Facts and Analysis, Including reasons(s) for Denial
こちらにはなぜ却下になったのかが記載されています。私たちの書類を提出して日付や、どんな情報に対してRFEを受けたか、そして最終的にどんな理由で却下となったのかが記載されています。
今後についての指示
そして最後に、今回の決定事項についてどんなアクションを取らなければいけないかが記載されています。また詳しくは下の方でどんな選択肢があるか解説しますが、簡単にいうと「もう一度再審査をしてもらうための申告」を手紙を受け取ってから30日以内にする、あるいは33日以内に国外に出る必要があり、そのどちらもしなかった場合移民裁判所にケースが移る、というなかなか怖いことが書かれています。
この手紙を受け取った時、「年末までにはグリーンカードゲットできるだろうから、そしてら年末年始日本で過ごしたいなあ」なんて呑気に考えていた私たちにとっては青天の霹靂でした。
私のグリーンカードが却下された理由
さて、この記事を読んでる人は「で、なんで却下されたの!?」というのが一番気になっているところだと思います。
というのも、今までのインストラクション解説だったり記入例なども紹介していましたし、同じ時期に渡米した人とも情報交換をよくしていたので、自分が提出した書類や補助書類的に何も問題がないだろうと思っていたのです。
いたのですが、まず簡単になぜ却下されたかをいうと、「経済的な理由」が原因として挙げられていました。
スポンサーになるためにどれぐらいの収入が必要か
移民としてアメリカに永住するためには、万が一生活保護などの必要があったり経済的困難なことがあっても、政府ではなく誰か周りの人がサポートできることを証明する必要があります。そのために提出する書類がAffidavid of Suportです。
こちらの記事の中でも紹介しましたが、移民のスポンサーとなるためには連邦政府が定めるpoverty line, 貧困ラインよりも高い収入を得ている必要があります。
これは世帯内の人数にもよって値段が変わってくるのですが、2021年、この記事を書いている2021/10/15現在の1世帯2人のPoverty lineは$17,420、日本円にすると1,992,508円です。
なので、この年収を最低限稼いでいないといけないということです。
もしパートナーが学生だったり収入がない場合には家族、あるいは友達などがjoint sponsorとなり、一緒にスポンサーになる誰かを探す必要があります。
実際の私たちの経済状況とRFEで求められたもの
今回Deniedの手紙をもらい、理由について目を通した私たちは頭の中が「????」となりました。
というのも、私の彼は自分の会社を2つ持っており、そのビジネスでは毎年軽く6桁を超える収益を出しています。資産も十二分に持っているので、今回記載されていた「あなたは移民を経済的にサポートするのに十分でない」という理由が一切わからず、何かの間違いなんじゃないか?と思いました。
ちなみに収入も資産も十分だと思ったので、私たちは初めからジョイントスポンサーはつけませんでした。
しかし、上のタイムラインで書いたように8月上旬にAffidavid of supportの追加書類、あるいはジョイントスポンサーの情報を送ってくださいとの連絡が来ました。私たちは提出したはずのtax returnや銀行の残高、資産証明などを再度送ったのですが、それでも今回Deniedの通知がきて、本当に意味がわからなくて混乱していました。
自営業必見:却下された本当の理由
じゃあ、なんで却下されたかなのですが、簡潔にいうと「税金の申告方法で、彼に全く収入がないことになっていた」というのが理由です。
自分で事業をしている人、会社を持っている人はよくやると思うのですが、「会社の収入」はあったとしても、「自分自身への給与」はあまり払わない人っていますよね。収入所得の節税のためでもあります。
例えばApple創業者のスティーブ・ジョブズだったりCITIグループのヴィクラム・パンディットも受け取っていた給料は年収1ドルだったという話も有名ですよね。
(他にもどんな人が年収1ドルだったか調べてみたらそうそうたる顔ぶれでした笑)
つまり、税金の申告書を見ると、彼のビジネス、彼の会社自体は十二分なお金を生み出しているとしても、彼という個人で見ると「給料がない人」という状態になってしまっていたのです。
ちなみにこのことについては、Deniedの手紙を受け取ってから弁護士さんに相談に行った時に判明しました。
なので、もしパートナーが自営業や自分で会社、事業を行っている人は「税金をどんな形で申告してるか」、自分の事業や会社の収益ではなく「自分個人としての給与所得がどうなっているか」をしっかりチェックした方が良さそうです。
資産はカウントされないのか?
もう一つ理解できなかったのが、収入が全くないカウントがされていたとしても、資産はどうなのか?ということですが、弁護士さんの話によると「資産はあくまで補助の情報なので、そもそもpoverty lineに引っかかっていたらあまりみられないことが多い」とのことでした。
また、私たち夫婦は投資が大好きなので資産のほとんどは株だったり仮想通貨、現金はいざというときに必要になりそうな生活防衛金程度だったのですが、ポートフォリオの大部分を占める仮想通貨が「まだ資産カウントされないと思う」とのことでした。笑
これから私ができる2つのアクション
じゃあこれからどうするか、こちらについても解説したいと思います。
まず、この手紙を受け取ってから次のアクションを起こすまでに与えられた期間は30日。もしその間に以下のアクションのいずれも行わなかった場合は違法滞在になってしまうため33日以内に強制退去となります。これらの指示にも従わなかった場合は移民裁判所にケースを移行されるという最悪のケースになります。
それではその30日間にどんなアクションがとれるかというと、以下の二つの選択肢があります
- Motion to Reopenを申請する
- AOSを新しく申請し直す
それぞれ順番に解説していきます。
Motion to Reopenを申請する
Motion to ReopenはI-290Bという申請書類です。今回受けた決断に対して再審査の依頼や再度新しい書類を追加提出することで再審査をお願いするものです。
90日以内にその申請が許可されるか却下されるかの連絡が来るようです。このフォームの申請料金は$675します。
AOSを再申請し直すよりも期間はかからないとは言われていますが、どれぐらい実際に時間がかかるかわからない点がネガティブポイントです。またグリーンカードと一緒に申請していたEAD(労働許可)、AP(海外渡航許可)も自動で却下になってしまっているので、それが手に入るのもすごく先になってしまう可能性もあります。
AOSを新しく申請し直す
今回Deniedされた理由が明記されていたので、改めてまたAOSを丸っと再申請することもできます。こちらを30日以内にすることで、私の移民ステータスは改めて「ステータス変更中」になります。
もちろん準備する書類も多くはなりますが、すでに提出したことがあるものばかりなので準備もそこまで時間は必要ありません。
これまで待った時間が全部無駄にりまた長い時間がかかってしまうこと、そして申請料金の$1225ドルがまたまるっとかかる点はマイナスポイントですが、Motion to Reopenをするよりも今後の筋道がわかりやすく、どんなタイムラインでEAD, AP, GCまでたどり着くことができるかが少し明確なポイントがプラスなポイントです。
この状況の中で役立ったこと
実際にDeniedの手紙を受け取って、一番先にしたことがVisa JourneyのAsk Proを使って弁護士さんに電話相談したことでした。
以前にもVISA JOURNEYの活用方法で「Ask Pro一番使わなかった」みたいなことを書きましたが、いざというとき「あ!あそこで聞こう!!」と思い出したのが良かったです。
私はここにあるAsk Lawyerというところから、Just Answerというサービスを使って移民弁護士さんに今回の状況の説明と今後どうすべきかについて話しました。体験サービスだったので1週間5ドルで質問し放題です。追加の料金で電話での相談もでき、私たちも電話でのサポートを受けました。
そこで今後についてどんな流れになるか、どんな選択肢があるかについて詳しく話してもらいましたが、今後の手続き自体を弁護士にお願いしたほうがいいかどうかも含め相談するために、住んでる場所の近くにいる移民弁護士さんにも相談にいき、1時間125ドルでお話も聞いていただきました。
いざというとき、どこで助けを求められるか、どこで専門の人に話を聞けるかを知っておくこと、頭の片隅に入れておくことがすごく大切だなと改めて感じました。
最後に、これからのこと
最終的に私たちがどうしたかということについても少し記録しておきます。
これはあくまで私たちの状況と弁護士さんに相談したことをもとにした私の決断であり、同じくdeniedされた人にも同じことをするよう勧めるものではありません。
私たちはMotion to reopenを申請します。申請するとひとまず90日以内に審査結果が再度来るようです。万が一そこでまたDeniedになった場合はまた再度AOSを初めから申請し直すこともできるようなので、最悪再申請をする覚悟もしてMotion to Reopenを申請しました。
私たちがこの決断に至った理由としては以下の3つのポイントがあります。
決断の理由①特に急いでいない
私はアメリカの会社で働くことは現在考えていません。アメリカの会社で働くという経験欲しさに働くことはあるかもしれませんが、少なくとも今のところは特に急いでいません。
なのでグリーンカードやEADなどの労働許可を得ることに特に急いでいないというのが一つポイントでした。
弁護士さんがMotion to Reopenだとケースが再開されてからもどれぐらい期間がかかるかわからないとのことでしたが、時間がかかってもまあいいか、という気持ちでした。
決断の理由②少しでも早い可能性
この記事を書いている2021年10月現在、周りを見ていると大体AOSでグリーンカードを所得するまで大体10ヶ月ほど。Motion to Reopenは申請してから90日でまずその申請が受理されたかどうかの連絡が来て、もし受理された場合はAOSをやり直すよりも期間はそこまでかからないとの話も。
AOSをやり直すよりもMotion to Reopenの方が値段自体は安いし、早く片付く可能性があるならそちらにかけよう、となりました。
決断の理由③最悪いきなり10年版GCを狙うチャンス
このポイントも大きかったです。
婚約者ビザでも配偶者ビザでもそうですが、入籍してから2年以内だと発行されるグリーンカードは2年の制限付きです。2年の制限付きGCはもちろん2年後に更新が必要になり、更新した後に10年版のGCが手に入ります。
配偶者ビザの場合は入国したタイミングで婚姻歴2年以上か以下かで判断されるようですが、婚約者ビザの場合はGCの面接をした日によって判断されるようです。
万が一Motion to Reopenが却下されたとして、年明けにAOSを再度申請するとなった場合、もしかしたら初めてGCの面接を受けるときに結婚してから2年経過してる可能性、ということはいきなり10年版のGCを狙える可能性もあることを考慮したときに、時間がかかってしまうことがリスクではなく利点になる可能性もあると考えました。
何が正解か、どちらを選ぶべきか、私たちもとっても悩みました。
そして一つアクションは取ったといえまだ解決はしていませんが、私の経験を通して皆さんの参考にしていただけるような情報がシェアできればなと思います。