さて、今回の記事ではグリーンカードの申請で提出が必要とされているI-864のインストラクションを、押さえておくポイントごとに解説していきます。
ビザ申請に必要な書類や申請料金などはその時々によって変わります。
こちらで記載するものは2021年5月時点での情報をまとめていますが、皆さんが申請する時にはこちらのブログは参考にしつつも必ず最新情報を確認してくださいね!
I-864は何のための申請書?
こちらの申請書は別名Affidavit of supportとも言われています。こちらは家族ベースの移民に対して提出が求められており、アメリカに移民として滞在するのに十分な経済的サポートがあるかの証明、public charge(日本でいう生活保護のようなもの)を受ける可能性が低いことの証明として提出が求められています。
記入する内容としては
- スポンサーとなる人の財政証明
- 現在の世帯主の収入や資産状況
などです。
K-1ビザの取得のタイムラインの中で、NOA2が来たあと、面接にI-134という扶養証明書を一緒に提出したと思うのですが、内容としてはそちらと似ています。
こちらからインストラクション、最新の申請書がダウンロードできるので、早速ダウンロードしてみましょう!
今回はインストラクションの紹介ですが、こちらの記事ではそれぞれのセクションごとにどんなことを記入するかを解説しています!
インストラクションを見てみよう
それでは今回もインストラクションの必要な箇所を確認していきたいと思います。インストラクションを見るとわかると思いますが、インストラクションにはいくつかパートがあり
- この申請書がどんなものかの説明
- 各セクションごとの記入に際しての注意事項
- その他の情報
について説明されています。
各セクションごとの記入は実際記入していきながら確認する程度で大丈夫なので、それ以外の押さえておくべきポイントだけ確認していきたいと思います。
Specific Requirement
このセクションではこの書類を誰が作成するのか、また収入の最低ラインはあるのか等、こちらの書類作成に際してよく聞かれる質問や必要事項がまとめられています。
Who completes and signs Form I-864?:誰がこの書類を作成し、署名しますか?
こちらの書類はグリーンカードの申請者ではなくスポンサーとなる人が作成、サインをします。スポンサーは18歳以上でアメリカ国内(あるいはアメリカ領土)に居住している人である必要があります。もし現在学生など理由があって他のスポンサーを立てる場合でも、申請する人のパートナーであるアメリカ市民はこの書類を提出する必要があります。
スポンサーになれる人は以下の通りです。
- アメリカ市民で法的にアメリカに居住している人、またはアメリカ国籍を持つ人の中でもK-1ビザの申請や外国人の親族、家族を呼び寄せるためにI-130を提出した人、その他I-600、I-800などの申請を行った人
- アメリカ市民で法的にアメリカに居住している人、またはアメリカ国籍を持つ人の中でも労働ビザやその他家族の呼び寄せるためのI-140を申請する人
What are the income requirements?:収入の条件は?
スポンサーになるためには、現在政府が各世帯ごとに定める貧困ガイドラインの125%以上の収入がある必要があります。
この政府の出しているFederal Poverty guidelineはこちらのページから確認できます。今この記事を書いている2021年時点では、2人家族であれば$17,420がpoverty lineなのでアメリカ人パートナーの収入が$21,775以上あれば問題ないです。
ちなみにもし現在アメリカの軍関係で働いている場合は、このpoverty lineの100%分が満たされていれば大丈夫なようです。
How do I count household size?:世帯内人数はどう数える?
上の項目で何人自分の世帯にいるかによって規定されているpovertylineの数字か変わってきますが、ここで含めるのは
- あなた自身
- 配偶者
- 21歳以下の子供
- 最近の税金の申告で記載したその他の人
- 今回の申請でスポンサーする
- 過去にI -864等の申請書でスポンサーをしたことのある移民
のことを指しています。
ここで21歳以下の子供や現在一緒に住んでいなくとも、上記に当てはまるものはカウントする必要があります。
What if I cannot meet the income requirements?:もし収入要項を満たせなかった場合は?
もしスポンサーとなる人の収入が規定を下回る場合、移民ビザやグリーンカードへのステータスの切り替えをする対象外となります。しかし、以下の方法の組み合わせで要件を満たすことができれば問題なく申請することができます。
- 親族や同じ世帯内に住んでいる人など、税金の申告をした際に記載した人の収入
- 申請する移民が移民した後も現在収入を得ているところから継続して収入を得続け、かつ、申請する移民が現在同じ場所に居住している場合、その収入。もしここでいう移民が配偶者である場合、現在の居住地は関係ないものとする。しかし、ここでの収入は法的に永住者となるまで継続する収入源である必要がある
- 自身の資産や税務上同世帯内と記載した家族の資産、あるいは申請する移民の資産
- 収入や資産が政府の定めるPoverty Guidlineの125%を超えるジョイントスポンサー
How can my relatives and dependents help me meet income requirements?:収入の最低ラインを満たすために親族等はどのように助けることができるか?
同じ場所に居住している家族や親族も、あなたに加わって移民のスポンサーになることが可能です。親族でなくとも税務上同世帯内と記載した人に関しても、その人の現在の居住地に関わらず、その人の収入も一緒に組み込むことが可能です。
同世帯内の家族等の収入は、Form I-864Aにサインをし、サインをする際に18歳以上であれば、収入の最低条件を満たすために使うことができます。
Can the intending immigrant help me meet the income requirements?:申請する移民の収入の助けもかりて最低条件を満たすことは可能?
条件を満たした場合であれば、申請する移民の収入を申請の最低条件に届かせるために組み込むことが可能です。もし申請する移民が配偶者である場合、その収入源が法的に永住者となった後も継続するのであれば組み込むことが可能です。
もし申請する移民が親族である場合、以下の二つの必要事項があります
- 永住権を得た後も同じところから収入を得続けなければいけない。
- 申請する移民は現在あなたと一緒に居住している必要がある。
上記二つの要項に関して証明できる書類を提出必要がある。しかし、収入の最低条件を満たすために申請する移民の収入を利用する際、申請する移民に配偶者や子供がいない限りI-864Aを別途作成する必要はない。
Does receipted of means-tested public benefits disqualify me from being sponsor?:失業者や低収入者向けの給付金を受け取っていることでスポンサーになることの障害になりえる?
いいえ。失業者や低所得者向けの給付金を受け取ったことがあることで、スポンサーになれないというわけではありません。しかし、給付金は収入の最低条件のカウントに入れることはできません。
How can I use assets to qualify?:資産をどのようにカウントに入れることができますか?
資産自体が金融的な価値を生み出し、申請する移民のスポンサーをする上で価値があると移民間に認められた場合、収入の補助として資産を書くことができます。
What is a joint sponsor?:ジョイントスポンサーとは?
もし収入の最低条件を満たせない場合、I-864を提出し、ジョイントスポンサーを立てることで収入の最低条件を満たすことができます。
ジョイントスポンサーは
- アメリカ市民
- 法的に永住しているもの
- 18歳以上のアメリカの市民権を持つ人
- アメリカ領土に居住している人
のいずれかで、そして申請者と一緒に移民の金銭的サポートをすることを希望する人であればなることができます。ジョイントスポンサーは申請者や申請する移民の親族等である必要はありません。
もしジョイントスポンサーの一人が家族のうち数名のスポンサーをする場合、別のジョイントスポンサーは残りの家族全員のスポンサーになる必要があり、ジョイントスポンサーは2人以上立てることはできません。
ジョイントスポンサーはスポンサーをするすべての人に対して、自身の収入のみで収入の最低条件を超えている必要があります。
What is a substitute sponsor?:代理スポンサーとは?
Substitute SponsorとはI-130が承認された後に、申請している移民が永住権を取得する前に元々の申請者が亡くなった場合、代理としてスポンサーとなる人のことを指します。
代理スポンサーは申請する移民の配偶者、親、義両親、兄弟、18歳以上の子供、娘、息子、義理の子供、義兄弟などである必要があります。また、代理スポンサーはアメリカ市民、法的な永住者やアメリカ市民である必要があります。
もしあなた自身が代理スポンサーである場合、上記で示した中でどのような形で申請する移民に関係しているかを示し、その証拠となる書類を提出する必要があります。また、この申請で恩恵を受ける(移民となる人)は今回提出する書類と一緒に、I-130をもともと提出した人ではない代理人が申請する理由とそれを証明するもおを提出する必要があります。また、I-130のコピーの提出も必要です。
How long does my obligation as a sponsor continue?:スポンサーとしての義務はいつまで続く?
あなたのスポンサーとしての責任は、申請する移民がアメリカ市民になるか、またはアメリカで40クオータ(10年以上)の労務経験を得るまで続きます。
40クオーターは10年間の労働にあたりますが、状況次第で必要となる労働期間が延びる可能性もあります。
また、あなたのスポンサーとしての義務はスポンサーをしていた移民が死亡した場合、または永住権を放棄した際にも終了となります。離婚したとしてもスポンサーとしての義務は終わらず継続して続きます。
Do I Need to submit a separate affidavit for each family member?:家族それぞれに対して扶養証明をそれぞれ別で提出する必要はある?
あなたはスポンサーするすべての移民に対して人数分だけI-864を作成し提出する必要があります。別々のI-130, I-600, I-800を提出している場合はそれぞれ別々の扶養証明が必要となります。
Check list
ここではI-864を出す上での最終チェック項目が挙げられています
For All sponsors:すべての提出する人
納税証明書、もしくは王税証明書の提出画面緒されていることを証明する書類は添付しましたか?直近3年の納税証明、直近3ヶ月の源泉徴収書、あるいは雇用主からの雇用証明なども補助書類として提出することができます。
For some sponsors:該当者
もし今現在自営業である場合、自身のビジネスの収入が記載された一番最近の税申告のSchedule C, D, EもしくはFを提出してください
もし同じAffidavit of Supportの中で一人以上の移民になる人のスポンサーをする場合、Affidavit of Supportの原本を印刷したものを提出することができます。原本に添えた補助資料は印刷して一緒に提出する必要はありません
もしあなた自身が申請人であり、現在アメリカの軍事関係で働いている場合、かつ配偶者や子供のスポンサーになる場合、通常120%満たしていなければいけない政府の定めるPoverty Lineは100%であれば申請することができます。上記を満たす場合、現在現役で軍事機関で働いている証明書を提出してください。
もしあなたが同世帯内の人の収入を含める場合、使用する人それぞれの収入を証明するためにそれぞれ別のForm I-864Aを提出します。しかし、申請している移民自身の収入も含める場合、その移民として申請するもの自身はI-864Aを記入する必要はありません。もし申請する移民の配偶者や子供も一緒に移民してくるのでなければ、その時にはI-864Aを申請する移民自身一緒に提出しなければいけません
申請する移民自身、もしくは一番最近の税申告の際に同世帯のものとして申告していなければ同じ場所に住んでいる証明とあなたとの関係性を示す証明を提出してください。
申請する移民の収入源となる雇用状態が継続する証明
一番最近の税申告のコピー、あるいは税申告し免除されている証明。こちらの税申告の記録について、もし補助資料として必要であれば過去3年分を提出することもできます。
もし自身の資産や同世帯内の人の資産を申請に使う場合、資産状況、資産の保有主、価値などの記載された書類を提出する必要があります。何かを担保に保有している資産の場合にはそちらも記載しましょう。
申請する移民以外で同世帯内の人の資産を一緒に記載する場合には別のI-864Aを提出しましょう。
もしジョイントスポンサー、代理スポンサーもしくは雇用ベースの移民の親族である場合、アメリカ市民権、合法な永住者であるステータス、アメリカ国籍の証明の提出が必要です。
アメリカ市民、または国籍保有者は出生届、パスポート、または帰化証明/市民権の証明のコピーを提出してください。
もし合法的に永住しているものであれば、I-551、永住カードの両面のコピーを提出してください。
以上です!とっても長くなりましたが、ぜひインストラクションは一度目を通してみましょう!